フットジャムの科学 トウサイズ

今回は足趾が入るくらいのサイズのフットジャムについてです。手で言うとタイトハンド〜シンハンドサイズに対応するフットジャムの具体的な方法に記述します。私の場合キャメロット#0.75〜#1くらいのサイズになります。基本を読んでいない人はこちらからどうぞ。

→フットジャムの科学 基本的な動き

足趾を伸ばすとクラックに入りやすい

トウサイズのフットジャム(以下トウジャム)のきめ方は基本的には上のリンクにあるフットジャムと同じです。ただサイズが狭くなってクラックに足が入りにくくなる分、少しでも足(シューズ)を薄くしたほうがフットジャムが極まりやすくなります。

私の場合左のフェイス用シューズは趾が曲がっていますが右のクラック用シューズでは趾が伸びています。その分厚みが変わっているのが写真から見て取れると思います。

このトウジャムのサイズ感はハンドジャムだとシンハンド〜タイトハンドになります。手のジャミングが極まりにくく、スタンスが拾えない場合はフットジャムが攻略の鍵になります。このようなルートを目指すときは足趾を伸ばして履くようなクラッククライミングに特化したシューズでトライすると良い結果が生まれるかもしれません。

足趾を伸ばして履くシューズのサイズ感だとつま先の余裕があり、つま先を動かすことである程度クラックの形状に足がフィットしてくれます。このあたりも足趾を伸ばして履くメリットと言えるでしょう。

ただし足趾を伸ばすとフェイスの細かいフットホールドは踏みにくくなるのでどちらが登りやすいかはよく吟味しましょう。

少しでも深く足をねじ込む

トウサイズにおけるジャミングのコツは少しでも深くクラックに足を突っ込むところです。他の条件が同じ場合、クラックと触れているシューズの接触面積がそのまま摩擦力=保持力に直結します。なるべく足の形状にフィットする場所を探して少しでも深くクラックに足をねじ込みましょう。

そのために少しでもクラックが広がったところを探した上で、シューズのシャープな部分を真っ直ぐにクラックに入れてあげる必要が出てきます。つま先のシャープさはある程度シューズに依存してしまいますが、トウジャムが出てくるようなルートを登るためにはギア選択も重要になってくる気がします。

左:フェイス用 ハイアングル  右:クラック用 カタキ

私の場合はカタキをクラック用のシューズとして使っていますが、つま先のシャープだとポケットのようなクラックの広がりにも対応できるので登りやすいと思います。

クラックの広がった部分にフットジャムを極めるメリットは他にもあり、下側に対して閉じている部分に足を乗せることによって楔のように極めることができます。後は「私の足はL字金物」と念じながら足首の角度をキープすればまず抜けることはありません。

重心が離れてくる

トウジャムではつま先でフットジャムを極めるので必然的にジャム位置から重心ラインである足首までのオフセットが大きくなり脹脛や脛の筋力も必要になってきます。

上の写真はトウサイズのフットジャムを極めているところで、体重は青矢印のようにかかっていますがジャミングが極まっている場所はつま先側の赤丸部分です。黄色丸の足の甲サイズのフットジャムと比べて随分とつま先側に移動しているのがわかると思います。足が捻じれている状態で保持する場所がつま先に近くなると筋力的に辛くなってくるので、このあたりは簡単なルートをたくさん登り込んで足に筋肉をつけていくしかありません。

つま先の角度

足の入れ方は上の重心を示した写真のようにつま先を上げたり下げたりせずにクラックに対して垂直に入れてあげるのが基本になります。理由はその角度が一番クラックの奥まで足を入れることが出来るからです。

ただし例外もあり、小趾側をスメアっぽく極めるためにあえて踵を下げたり、楔のフットジャムの成分を入れるためにつま先を下げたりする応用もあります。

トゥジャムは痛みが出やすい

トウジャムはちょうど趾の部分でジャミングをするので、ちょうど関節がクラックのヘリに当たったときや趾の重なってしまったときなど痛みが出ることがあります。

痛みが出たときは無理にたちこまずに一度クラックから足を抜いて痛みが出なそうな場所をもう一度探してからフットジャムを極めると(たとえ同じ場所だったとしても)痛みが出なくなる場合があります、試してみましょう。シューズの中で趾をウニュっと動かすと当たっている部分がずれたりして効果的です。

痛みに対しては足の甲側をなるべく広く設置させてあげるのもポイントです。また浅くてもオープンブック形状の場合は積極的に利用すると負担が減ります。

痛みが出る前から趾の甲側がクラックにフィットするように丁寧に登り、スタンスを見つけたときはフェイスに足を出して趾をを休ませたりするとトータルで楽に登れるようになると思います。

シューズ選びもポイント

このサイズで思い浮かぶルートは瑞牆の春うらら核心部でしょうか。このトゥジャムをきめることができずに私は散々悩みました。そのとき私はフェイス用のシューズからハーフサイズ上げただけのシューズを履いていたのですが、趾が曲がって厚みの増したシューズではクラックに足先が入いらずフットジャムができませんでした。その後趾をまっすぐに伸ばしたサイズのシューズを買い直して登れるようになったのですが、このようなサイズのフットジャムをきめるためにはシューズの選択も重要になるかもしれません。

→クラック用クライミングシューズの選び方

つづく