T(I)スタックの科学

時間が空いてしまいましたがジャミングの科学をまたぼちぼちと書いていきたいと思います。
今回はワイドの足技第2段としてT(I)スタックのやり方を書いていきたいと思います。これはヒールトウジャムを使ったリービテーションのようなものです。

広告

Tスタック

Tスタックと言う言葉のイメージから、足を上から見た時にT字型になるのを意識してしまいがちです。でも私の感覚では横から見た時の形の方が大事だと思うんですよね。

上から見たT字型

Tスタックを横から見た時に何がポイントになるのでしょう?

私が大事だと思う部分は、Tの接合部(A)を頂点としてつま先など岩と接している部分(B)との角度(水色部分)です。ここの角度が180°よりも閉じて、(B)の岩と接している部分が(A)よりも下にくるようにしています。理由は(A)に体重がかかったときに(B)がクラックを押し広げるような力が働いて自然にスタックしてくれるからです。

三角屋根の頂点を押し下げると縁が広がるイメージどいえばいいのでしょうか? この角度でTスタックをセットしておくと、体重がかかったときに自然とクラックを押し広げる形になって楽に体制を維持することができます。

TスタックやIスタックで上手くセットができるとクラックを押し広げる力がかなり強くなります。つま先を点で当てると痛くて耐えられないことが多いので、私はつま先を反らせてスメアリングする事が多いです。

Iスタック

こっちはあまりメジャーではないかもしれませんが、意外と使えるIスタックです。Tスタックだと片足が岩と直行する形になって膝がぶつかるので一歩の進みが小さいんですよね。Iスタックだとちょっとパワーは使うけど多少ガニ股に足を逃せるので一歩を大きく取ることができます。あとクラックがフレアしてるときとかはIスタックのほうが安定している気がします。

そんなIスタック、私の場合はアキレス腱のあたりで決めてることが多いです。

写真だと見にくいのですが、右足(縦にしてる足)のつま先はクラックの奥方向に向いていて、そこにアキレス腱のあたりを押し付けています。Iの接合部と岩と接する部分の関係はTスタックと同じで接合部よりも下に来るようにしています。

ポイントは後ろの足裏をなるべくペッタリとつけてフリクションを効かせるところでしょうか。前の足は足首関節を挟んでのスタックになるので、Tスタックのような楽ちんさはありません。

まとめ

Tスタックのメリット

セットがちゃんと決まれば自重でそのままスタックする楽ちんさ。

両足とも同じような高さにセットできるので足が疲れにくい

Iスタックのメリット

1歩がTスタックよりも大きく取れる

シームレスにXスタック(後日書く予定)に移行できる

フレアや下開クラックなどではIスタックのほうが極めやすい

→ ワイドクラックの科学
→ ジャミングの科学