シンハンドの科学

指の第3関節は入ったけどジャム筋(母指内転筋)までは入らない。。。ここもオフフィンガーに引き続き辛いサイズです。

辛いサイズではありますがジャムを決める部位が指から手のひらになり、かけられる力が一気に増えるのでその点では楽になります。フットジャムも効き始めるのでそのあたりを上手く利用するのが攻略の鍵になります。

私の場合シンハンドはケースバイケースでいろいろな技術を使うのですが、逆に言うとどれも決め手にかける不安定な技術をその時々で組み合わせて使っている感じです。

ここでは大きく順手と逆手そしてサムロックに分けて書いていきます。

※ジャミングの科学ではボトミングとそれ以外に分けて書いていますがシンハンドのように悪いサイズはすべて総動員することが殆どなのであえて分けません。

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逆手

逆手で入るところまでギリギリ手を突っ込んで捻じります。非常にきまりが悪いのでねじる力だけで止めようとせずにクラックの凸凹や屈曲部を探して少しでも力をセーブできるようにクラックを観察するのがポイントです。人差し指の第三関節を引っ掛けることができれば楽をすることができますが、関節の形状的にそれほどバッチリとは効かないのでジャム力はそれなりです。
順手とのミックスで体を傾けてレイバック気味にフリクションを効かせると安定する場合が多いです。

順手

私の場合順手では2種類のジャムを使い分けています。
小指第三関節や少指球筋を使った小指側タイプ、もう1つは親指を使ったタイプです。それぞれ分けて書いていきましょう。

小指側タイプ

小指の第三関節あたり(赤矢印)がかろうじて入る場所を探して関節の膨らみやその付近の筋肉を総動員してジャムをきめます。

イメージ.tiff

当然クラックが少しでも窄まっているところや曲がっているところを狙い、手首を思い切り内転させてL字金物をクラックに引っ掛けるようなイメージで試したり、手首を伸ばして小指の第三関節をナッツのように使ってみたり小指球筋とミックスしてハンドジャムのように筋肉をふくらませてみたり・・・

この辺りはセオリーがあるわけではなく(あったら教えてw)何とか頑張って引っ掛けるといった感じです。

それの派生バージョンとして少指球筋の辺りの筋肉(緑矢印)を引っ掛けるジャムもあります。小指の第三関節だと広い場合に使います。

親指タイプ

私はこっちの方を多用するのですが周りの人に話を聞くとあまり一般的ではないみたいです。

イメージ_1.tiff

このジャムの原理は手のひらと岩の隙間に親指を滑り込ませてスタックさせることなのですが、フリクションだけだと非常にしんどいのでクラック内の岩の凸凹部分に親指が当たるようにするのが楽するポイントです。

具体的にはこのようにしています。
1.親指の関節が引っかかりそうな岩の出っ張りを探す
2.その反対側に手の甲をセット
3.親指を岩の出っ張りに引っ掛けながら手のひらと岩の隙間に親指を入れる

これで親指がきっちりとハマっている間はそれなりに支持力を得られますが親指のロックは筋力で行ってるのでけっこう疲れます。
エッジが鋭利だとかなり良く効くのですが写真のようにエッジが丸いと使いにくいです。
幅が狭いと疲れるけどその時はサムロックが効かないか試してみましょう♪

サムロック

まずは親指を引っ掛けられる場所を探します。ツルッとした壁でもちょっとした結晶や段差が見つかるはずです。

そんな場所に写真のように親指を置いて赤線のようにクラックの対面と親指の甲でスロットを作ってあげます。

そこに人差し指でフィンガージャムを決めればあっという間にサムロックの完成です。

ポイントは親指を置く場所の見極めで、親指が滑りだすとこのジャムはあっという間に崩壊してしまいます。