シングルアクスルとダブルアクスル

  • 2021年3月25日
  • 2021年6月9日
  • カム

細かく語るカムシリーズ、今回はシングルアクスルとダブルアクスルの違いについてです。

カムは初め「平行なクラックでもプロテクションとして機能してる!すげ〜」ってところからスタートしたのですが、それに成功すると今度は対応レンジを広げるためにあの手この手の工夫をするようになりました。それらの工夫の中で現在も生き残って堂々とメインストリームを突っ走っているのがダブルアクスルの技術です。

ここではダブルアクスルのメリットデメリットと、生き残っているシングルアクスルを使ったほうが良い場面について考えてみたいと思います。

ダブルアクスルの良いところ

まずはメインストリームのダブルアクスルについて良いところを列記していきます。

対応サイズの広さ

上でも書きましたがダブルアクスルの圧倒的メリットは対応サイズの広さです。

カムの対応レンジはカムローブの大きさに比例して広くなりますが、大きなカムローブはそのままでは狭いクラックに入れることはできません。そこでアクスルを2本に分けてズラすことによってスペースを確保して大きいカムローブを狭いクラックに入れられるようにしたのがダブルアクスルのシステムです。

このようなシステムにより対応レンジが広がり、カムのサイズエラーをしにくくなり登っているときにカムを選びやすくなります。登っているときにプロテクションのサイズエラーで消耗すると肉体的にも精神的にもダメージが大きいので本当にありがたいシステムです。

強度が強くカムローブがひっくり返らない

アクスルが2本に分かれて2本ともカムローブを貫通しているので、カムがひっくり返っておちょこになりません。また強度も十分にあるのでボトミングでの使用も可能な種類が多いです。

ストッパーが壊れてカムローブが反対側を向いてしまったカム。最近は「おちょこ」になるっても言わないのかな?

シングルアクスルの良いところ

次はシングルアクスルのメリットを列挙していきます。

カムの座りが良い

シングルアクスルタイプはステムとアクスルの交点が1箇所に集約されていて可動するのでステムの(横の)動きがカムローブに伝わりにくいです。下の動画を見比べるとわかると思いますが、シングルアクスル(上)のマスターカムはステムが揺れてもカムローブは殆ど動いていません。逆にダブルアクスル(下)のキャメロットはステムが左右に揺れるたびにカムローブがゆらゆら動いてしまいます。

これはスモールサイズだと気になる部分なのですがミドルサイズ以上のカムに関しては多少動いてもそれほど問題を感じることはないので微差と言ったところでしょうか。

それとステムの横方向の動きに関しては確かに差があるのですが、ステムが縦方向に揺れた場合はどちらのタイプも全く同じようにカムが歩くのでこの辺りはシングルアクスルのカムだからといって油断せずに必要ならヌンチャクで延長するなどしてロープの揺れがステムに影響しにくいようにセットするのが正解です。

カムローブが小さい

シングルアクスルのマスターカムとダブルアクスルのキャメロットX4のカムローブのサイズを見比べるとシングルアクスルのマスターカムのほうが小さいのがわかると思います。

数値的に表すと 赤←→緑が19mm 赤←→紫が24mmです。

このサイズはポケットのように部分的に広がってる所にカムをセットしようとした時に問題になる数字です。フィンガーサイズのクラックだと決められる場所がポケット上の小さいスペースしかない場合も多いのでこの辺りのスペックは重要になってきます。

これはかなりのメリットです。

構造がシンプルなのでリーズナブルなものが多い

いま出ているシングルアクスルのカムは比較的設計が古いものが多いということもあるのでしょうが、リーズナブルなものが多い気がします。

まとめ

私がクライミングを初めた頃はカム2大巨頭としてシングルアクスルのフレンズとダブルアクスルのキャメロットがあり、全サイズシングルアクスルとダブルアクスルの両方が選べました。しかし2016年にフレンズがモデルチェンジされてダブルアクスルになり、スモールカム以外ののシングルアクスルカムは事実上駆逐されてしまいました。

多少座りが良いとか、ちょっとお値段が安いとかと言ったメリットはサイズレンジが広いという圧倒的なメリットに比べれば些細な問題です。これから買う場合は迷わずにダブルアクスルにしておきましょう。ただしスモールサイズに関してはいろいろな理由でシングルアクスルとダブルアクスルの両方を持っておくことをおすすめします。

こちらも関連するのでよければどうぞ →カムの揃え方

カムの最新記事8件