カムの基本

  • 2021年2月24日
  • 2021年3月24日
  • カム

カムの基本的な部分を抑えた記事がないので書いてみました。(20210323更新)

カムの構成部品に関して本題とは違う内容なのでこちらのページで説明することにしました。用語に疑問に思ったらば確認をしてみてください。→カムの構成部品

クライミングにおけるカムとは

英語での正式名称はSpring Loaded Camming Deviceです。直訳するとはバネ仕掛けのカム機構になるのですが、まずはカムの意味から書いていきます。

カム(cam)とは運動の方向を変える構造の機械全般を言うのですが、クライミング的にはフォールによる落下方向の運動をフォールを止める拮抗方向の力に変える装置をカムと総称しています。

①フォール(下方向への直線運動)

②カムの回転運動

③クラックを押し広げるように突っ張る

④その摩擦によりフォールの止める力に変える

こんなことをしている装置です。

対数螺旋

カムローブには対数螺旋と呼ばれる曲線が使われていて、中心点であるアクスル(写真の青丸)からの距離(A)が連続的に大きくなるように作られています。

そのため②の回転運動が始まるとカムがクラックを押し開くように広がり、それによる摩擦でクライマーのフォールを止めてくれます。

対数螺旋に付いては数式やカムそれぞれのカムアングルなど面白い部分も多いのですが、クライミングには直接関係ないので興味がある場合はwikiなりジャミング紳士くんのページミキペディアさんのページを読むと良いのではないでしょうか。

ちなみにカムの対数螺旋は平面で、効率よく働く方向は決まっています。具体的にはステムの方向にまっすぐ引っ張るのが一番効率がよいのですが、そこから外れると効率が落ちてカムがスッポ抜けやすくなります。

クラックがパラレルな場合はカムが勝手に方向転換して効率の良い方向を向いてくれるのでそこまで厳密に考えなくてもOKですが、アクスルが変形してカムローブの並行が崩れてしまった場合はスッポ抜けやすくなるので買い替えをおすすめします。

回転と摩擦

クライマーが落ちたときに理想通りカムローブが回転を始めれば、最終的にクライマーのフォールをとめてくれますが、まれにフォールした落下運動が回転運動に変わらずにそのまま直線的にスリップしてしまうことがあります。

これをカムのスッポ抜けというのですが、A地点の摩擦力が少なくカムローブが回転するよりも少ない力で滑り始めた場合にスッポ抜けは起きます。これはカムローブの材質とか岩の種類や状態によるのですが、現実的には岩の状態が主要因になります。

具体的にスッポ抜けしやすい岩の状態を列記すると
・塩や砂がこびりついている(城ケ崎ではよくあります)
・ベルグラが張り付いている(シーズン初めの小川とか瑞牆ではよくあります)
・花崗岩の大きな結晶部分(結晶の表面は非常に摩擦が少ないのです)
・岩が柔らかく削れて滑る(凝灰岩や砂岩系でありがち)
・下開きのクラックにセットした(多少は大丈夫だけどやりすぎはだめ)

これ以外に多いのがカムの整備不良でカムローブに回転抵抗がある場合です。上でも書きましたがカムローブの回転抵抗と摩擦のバランスでスッポ抜けるかフォールをとめてくれるかの分岐点になるので、整備不良で動きの悪くなったカムは当然スッポ抜けやすくなります。

回転抵抗に関しては日々の手入れが大事なのでここを見てしっかりと手入れしてください。

カムセットの仕方はこちらに移動しました。→カムセットの方法

続く

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