カムの揃え方

  • 2020年10月20日
  • 2021年7月21日
  • カム

クラックを始めてある程度TRで登れるようになったらばリードしてみたいですよね?そんなとき、最初に必要になるのがSpring Loaded Camming Device、通称カムです。かっこよく英語で書いてみましたが要はみんなが岩場で持ってるあのカムです(カチャカチャ) そのカムには色んな種類があるのですが「どんなカムをどのように揃えるのが良いのか」を独断と偏見で書いていきたいっと思います。

※カムがないとリードできないのは事実ですがカムを持っているからリードできるわけではありません。そのあたりはこちらで紹介するページも参照してみてください。

→ クラックリードへの道

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最終的には2セット必要

まずはカム購入の最終地点を確認しましょう。

基本的には自分で登りたいルートに必要な数を持っているのが正解なのですが、普通に考えたらフィンガーサイズからミドルサイズまでは2セット、ワイドやるならワイドギアを1~2セットというのが標準です。

ここから最終的に揃える2セットの内容を確認してから、買うべき順番について書いていきたいと思います。

スモールサイズ1セット目 Camalot Z4

Z4#0.2 必要ならどうぞ、MC#0とどちらか1本でも良いかも
Z4#0.3
Z4#0.4
Z4#0.5
Z4#0.75

1セットは鉄板のキャメロットで決まりでしょう。と言うか他のエイリアンとかマスターカムなどは品切れが続いていて、非常に手に入りにくい状態ですよね。。。

スモールサイズ2セット目 MasterCam

MC#0 必要ならどうぞ、Z4#0.2とどちらか1本でも良いかも
MC#1
MC#2
MC#3
MC#4

スモールカムは2軸構造と1軸構造のカムの両方を揃えるのがオススメです。理由は一軸のほうが座りがいいけど2軸のほうがレンジが広い、でもカムローブも大きくなってポケットなどに入りにくいなど悩ましい部分があるからです。

詳しくはこちらを参照してください →シングルアクスルとダブルアクスル

カムローブは2軸構造だったり対数螺旋の係数が大きかったりするとサイズが大きくなるのですが、単純にカバーレンジに比例して大きくなると思っておけば間違いありません。特にダブルアクスルのカムローブは大きくなる傾向が強いので両方ともキャメロットだと小さいポケットにセットできずに(ランナウト以外の)対応ができなくなってしまう可能性があります。

では具体的に一軸のカムは何がいいのさ?というとやっぱりマスターカムでしょう。

新型はサムループが無くなってちょっと微妙になってはいますが、エイリアンが手に入りにくい昨今では貴重な一軸タイプのカムです。エイリアンよりも全体的に丈夫にできており、耐久性が高いのもポイントが高い部分です。こちらも輸入代理店のロストアローでは品切れしているので流通在庫か来シーズンに入手という感じでしょうか。

ミドルサイズ 1セット目 Camalot UltraLight

UL#1
UL#2
UL#3
UL#4

これは鉄板キャメロットでしょう。UL(ウルトラライト)でもC4でも予算に合わせて考えれば良いと思いますが、あえて言うならば軽さは正義です!

ただしUL#4に関してはC4#4のトリガーキーパーも魅力的ですよね、どちらでもお好みでどうそ。

ミドルサイズ 2セット目

これはパターンによって色々と考え方があります。

オンサイトを重視する場合は、その場でパッとカムサイズ決定する必要があるのでシンプルに1セット目と同じものを揃えるのが良いと思います。逆にレッドポインターの場合は同じ番手でも微妙にサイズの違うフレンズやドラゴンカムなどを持っていると、リハーサルでゆっくりと「より座りの良い」カムを選ぶことができます。ただ最近のカムは性能が良いのでそこまで気にしなくても良いかもしれません。
2セット目で#4サイズまで買うかは好みですが私は昔の#3.5があるので#4は1本だけしか持っていません。

ビックサイズ Camalot C4

C4#5
C4#6
C4#7 ※本当に必要ならどうぞ
C4#8 ※本当に本当に必要ならどうぞ

このサイズはフレンズ派の人が一定数いた時代があったのですが今は手に入らないのでビックサイズの現実的選択肢はCamelotC4しかありません。

過去にはビックブローとかジプシーとかちょっとキワモノ系のギアもあったのですが、キャメロットC4が#8まで発売された今となっては新たに買う意味は見いだせません。

ビックサイズの#7#8に関しては発売までは#6までで登れていたルートが殆どなので(もっと昔は#5までしかなかった)本当に必要になったらその時に買うという程度で良いと思います。

ワイドクラックはは好き嫌いがはっきりと分かれるので、買う前に誰かに何度か実際に連れて行ってもらうのがおすすめです。とはいえ現実的にこのサイズ購入まで検討する頃には自分がどのようなクライミングを嗜好するかわかってきていると思うので、必要と思うならば1セットと言わず何セットでも買っちゃってください、笑

ちなみにキャメロットC4は3~4と5~6のカバーレンジの空きがあります。昔のC3.5とかC5、もしくはフレンズがあったらば間を埋められて良いのですが今となっては無い物ねだりですね。。。

初めに買うならキャメロットの Z4 #0.5~#0.75 & UL(C4) #1~#3 から

必要なカムの最終形態を見たところで、最初にどのようなセットを買うとよいのか私の独断で書いていきます。

初心者のうちはハンドジャムで登れるルートに取り付くのが基本なので最初はハンドサイズ前後の1セットから購入するのがおすすめです。もちろんお金があってクラッククライミングを続けることが決定しているのであれば、最初からフィンガーサイズ~ワイドサイズまで2セット揃えても良いですよ。笑

ここで注意していもらいたいのが#0.5と#0.75の2本はZ4というところです。よくULやC4で#0.5~3くらいのセットを売っているのですがそれには目もくれずZ4シリーズを買うのがおすすめです。

キャメロットUL(C4)とZ4(X4)の違い

はじめはハンド前後の1セットからと書きましたが、クラックを続けていけば最終的にはフィンガーサイズのカムまで揃えることになると思います。そのような細いサイズのクラックに使いやすいのはヘッド幅がコンパクトなZ4です。ULやC4はヘッド幅が大きく、セットが決まれば安定しやすいのですが、クラックの奥行きがないとセット自体ができないこともあります。フィンガーサイズにも対応できるように、細かいサイズははじめからZ4シリーズで買い揃えるのがおすすめです。

写真はC4とX4

1本づつ買うメリットは少ない

実は私もやっちゃったのですが、カムを1本づつ買ってもメリットは少ないです。

ボルトメインのルートだとカム1~2本で完結できる場合もあるのですが、クラックルートでの使用を考えると最低5本1セットは必要になります。セールのタイミングなどである程度まとめて購入するのがおすすめです。

2セット目かサイズ拡大か

最初の5本を買ったらば、次のサイズに行きたくなるところですが此処から先はいくつかのパターンがあります。

一人もしくは夫婦などで揃えて行く場合はハンド前後の2セット目を揃えるのがおすすめです。逆に別資本の固定パートナーがいれば二人で2セット揃うように1セット目のフィンガーサイズやフィストサイズをそれぞれ買うのが良いでしょう。また2セット持っている人とよく行くのであれば足りないサイズを買い足して合計3セットにするのがおすすめです。

どちらにしても最終的には2セット目に行き着くと思うので、道順が違うだけでトータルで買う内容は同じになります。安いからと言ってマイナーなカムを買ったりすると後で後悔するのでメジャー路線ど真ん中でギアを揃えて行きましょう。

まとめ

クラッククライミングを続けていけば最終的には2セット揃えることになるから、順番は前後しても最初から何を買うかなんとなくイメージして計画的に買うのが吉です。

私のお勧めは下記の通り。

Z4 #0.3~#0.75 1セット
MC #1~4 1セット
キャメロットUL#1~#3 2セット 
キャメロットUL#4 1本
キャメロットC4#4~6 1セット
キャメロットC4#7~8 必要ならどうぞ
Z4 #0.2 or MC#0 これも必要なら追加してください

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