私がダイソーのミニハンマーを使い始めたのはもう15年位前でしょうか。クラックを始めた頃、小川山で会ったクラック仙人に教えてもらってすぐに買いに行ったのでした。
このハンマーは軽量で打撃力も必要十分、しかもリーズナブルと素晴らしいギアだったのですが同モデルは残念ながら販売終了して黒いヘッドの短いタイプにモデルチェンジされています。
このページでは新しいミニハンマーがギア回収に使えるのかをレポートしてみます。

上が現行品のハンマーで下が旧タイプのハンマーです。見た目で色が黒くなっているのはどうでも良いのですが、シャフトの長さが短くなっているのがどのように影響するのでしょうか? まずは正確な数字を出してみましょう。
新タイプ 長さ16cm 重さ76g 黒
旧タイプ 長さ18cm 重さ82g 銀色
長さが短くなった分微妙に軽くなっているようですね、この辺りはカムの軽量化と同じ路線なのでしょうか(違うと思うけど)
ハンマーを使う場面
私が実際にハンマーを使う場面は3パターンあります。
①ナッツ回収のためにナッツキーを叩く
②カムが奥に入ってスタック気味になったときにサムループやナッツキー越しに軸受部分を叩く
③カムがスタックした場合にカムローブのヘッド側を叩く
①と②は通常の使い方ですが③はちょっと特殊かもしれません。

スタックしたカムの青矢印部分を直接「軽く」叩いてあげるとカムがちょっとだけずれて回収可能になったりします。メーカーでおすすめしている回収方法ではありませんし、あまり強く叩くと回収できてもカムローブが変形してカムが使用不可能になってしまうので試す場合はオウンリスクでどうぞ。
岩場でテスト
という事でこの3つの回収を実際の岩場で試してみましょう。まずは穴あけして落とさないように紐を通してから岩場に持っていきます。
まずは①②のタイプの回収から

この2つは全く問題なく使えます。
私がまだクラックデビューしたての頃は、ハンマーの代わりにカムを使ったりカラビナで叩いたりしていた時代でした。そんな打撃力でも回収できるのですからミニハンマーなら楽勝ですね。
ちなみにカムやカラビナは精度が大事なのであまり打撃を加えないほうが良いです、だめな場合は仕方ありませんが基本的にはミニハンマーを持って登るようにするとギアの不安が少なくなるのでおすすめです。
問題は③の回収方法でおきました。

ハンマーで直接カムローブを叩こうとすると2cmの差が思ったよりも効いてきます。狭いクラックの中のピンポイントの場所を叩きたいので親指も使ってしっかりと持ちたいところですが、そうするとハンマーがカムまで届きません。特にシンハンドサイズのクラックでスタックした場合は、手が入らずに苦労することでしょう。
そこまで奥にセットしないように気をつければ問題ないとは思うのですが、選べるなら長いほうが良いかな〜
結論
・まだハンマーを持っていないようならば買っても損はしません、110円でこの性能ならコスパ良しです。
・基本的にはクラックの奥でスタックをしなければ新旧で差は出ません。
・対抗馬は高儀のホビーハンマーだけどちょっと重いのが難点か(重いとカムを破壊する可能性も上がります)