クライミングで使用する救急セット

クライミングで怪我をしないように注意するのは当たり前ですが、それでも怪我をしてしまうことがあります。そんなときのために最低限の救急セットを持ち歩きましょう。

このあたりも関連するのでよければどうぞ → セルフレスキューの方法

クライミングの場面では打撲捻挫擦り傷と虫刺されが主な懸案になるので、私の場合はそれらに対応しやすい最低限のものを救急セットとして持ち歩いています。

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救急セットの中身

私の持ち歩いている救急セットのしまった状態の写真です。左が三角巾とカイロ、右上がヒヤロン、右下の黒いポーチがメインの袋になっています。

救急セットは基本的には使わない事を前提として、どうしても必要になったときの為に最小限のものでを揃えるのが大事です。クライミングなどで通常使うようなものに関しては重複して入れないように工夫しましょう。

救急セットの中身を広げるとこんな物が入っています。下記で左上の物から詳しく説明していきます。

ポイズンリムーバー

私も昔は馬鹿にしていましたが、使ってみると驚愕の性能です!アブにやられたときなど、刺された直後に毒を吸い出すとほとんど腫れません。ただ吸ったあとがアザになるので、強烈な虫にやられたときだけ使用するようにしています。

ポイズンリムーバーは負圧で体内に入った毒液を吸い出すのですが、トリガーを引っ張り続けないといけないタイプと押し込んで使うタイプがあります。押し込むタイプの方が操作性がよく毒を吸い出しやすいので、これから買うのであれば押し込むタイプをおすすめします。

実際に買おうと思うと見た目は楽天のほうが安いんだけど送料が別なんですよね〜私は友達と纏めて買って送料折半したけど一人のときはAmazonで買った方が安いかも。


消毒用脱脂綿

個装の消毒用脱脂綿を用意しています。最近はエタノールを持ち歩いているのですが、傷口を拭くにはティッシュなどはホコリが付くので専用品を使用したほうが良いと思います。

ビニール手袋

他人の血液は毒だと思え! こんな事をレスキュー講習に行くと言われます。何も無いときは雨具とかで代用しろとも言われるのですが、レインウエアを血まみれにするのはチョット。。。

このような手袋は100円ショップでも売っているので買って用意しておくのが正解だと思います。私は小さいチャック付きビニール袋に入れています。

ビニールに収納するときはこんな感じに縦に折ってから手首方向に向かって丸めていくと空気が抜けるので楽ちんです。

コンパクトに畳んでいくつかセットを作って置くのがおすすめです。

私は消毒用脱脂綿とビニール手袋をセットにしてポイズンリムーバーのケースに収納しています。

手袋は破れたときや複数名でレスキューを行う場合を考えて2〜3セット持っていくのをおすすめします。

黒いポーチ

救急セットを入れているメインの袋です。どんなのでも良いんだろうけど、中でセットがガチャガチャ遊ばないようなものがおすすめです。

人工呼吸用感染防止器具

消防の救命講習を受けたときにもらったものです。人工呼吸のときに直接肌が触れないようにするものなのですが、コロナを防ぐかは微妙なのでこのご時世だと心臓マッサージだけになっちゃうんでしょうかね〜(2021年9月現在)

ライター

究極のときに簡単に火を起こせるのは大事ですね。蚊取り線香の着火用にも活躍しています。

穴あきペットボトルの蓋

この蓋は傷口の洗浄用に用意をしています。怪我をした場合には傷口の洗浄などが大事になるのですが、山の上では水は貴重品です。

この蓋をペットボトルにセットして握りつぶすと水を勢いよく出てきます。傷口に向けて水をビュ〜ってかけるとちょっと痛いけどドロとかはバンバン落ちてくれます。洗浄効率が高くて水の使用量も減るのでおすすめです。

たまに現場でペットボトルに穴を開けようとかいう人もいるけど、実際にやるとけっこう大変なのでこのような蓋を持ち歩く事をおすすめします。

予備電池

本来的には救急セットではないのですが、ヘッドランプの予備電池を入れています。ちなみに電池はパナソニックの物が液漏れしにくいのでおすすめですよ♪

→ パナソニック電池

ナイフ

ナイフは万能に使えるアイテムなので、どこかに忍ばせておきましょう。

私はオピネルがお気に入りですが、刃がついていれば何でも構わないと思います。

→ オピネル No.6

エタノール

コロナになってから救急セットに追加しました。食事のときに使ったり、ギアを加えたあとにさっと拭いたりする程度で救急セットの意味合いは浅いのですが、なんとなくここに入れています。

ワセリン

普通に売っている白色ワセリンを小分けにして持ち歩いています。出血時に傷口にワセリンを塗ってビニールで上から抑えるとかなりの止血効果が期待できます。ボクシングとかでも止血に使いますよね。

→ 白色ワセリン

ワンパンチ冷却材

捻挫打撲系の初期対応は固定と冷却が大事です。ヒヤロンとかはワンパンチで冷えてくれるので便利なのですが、ザックの中でいつの間にか冷え冷えになって「うぎゃ〜」ってなったことがあるので、私はジップロックに入れて保護しています。

大きいし邪魔になることが多いので、冬など寒い時期は持っていかないことも多いです。

三角巾

万が一怪我をしてしまった場合に、清潔な布が一枚あると有効です。私はチャック付きビニール袋に入れて汚れないように持ち歩いています。

ついでにカイロが入っているのは私が寒がりなのもありますが、ショック症状を起こしたときに寒気を感じるので念の為に入れています。

三角巾はサイズが大きいので雨蓋の裏側のポケットに収納しています。

ティッシュ

汚れ物を拭いたりするのに使います。

エマージェンシーシート

万が一のビバークなどに備えて念の為持っています。またビニール素材なので止血などにも使えるし、サイズが大きいので固定用の布代わりに使ったりと工夫次第で使えそうなので持ち歩いています。

ビニール袋

普通のチョットだけ厚いカサカサしないビニール袋です。止血やゴミ袋などマルチに使っています。

緊急時対応方法(緊急時連絡先記も記入済み)

2014年のクリーンクライミングin小川山で配っていた「緊急時の対応方法」の紙を持ち歩いています。事故が起きてしまうと冷静な判断が難しくなる場合があるので、このような指針があると大過なく対応ができると思います。

作成者の許可をいただけたのでこちらにPDFを貼っておきます。ダウンロード〜プリントをしてクライミングをするときには携帯しておくことをおすすめします。

緊急時の対応方法は小川山での事故を想定しています。他のエリアでよく行く場所がある場合は、そちらの緊急連絡先なども調べておくといざというときに役に立つと思います。

まとめ

リスクマネジメントは平常時に行っておくのが正解です。時間と心の余裕があるときに予め準備をして、山では心置きなくクライミングを楽しみましょう♪

※テーピングテープはクラック用に常備しているのであえてレスキュー袋には入れていません。