セルフレスキュー @応急処置

事故を起こしたいと思う人は一人もいないと思いますがそれでも事故は起きてしまいます。そんな万が一のときのためにここに書いたレスキューの方法を頭の片隅に入れておいてもらえればと思います。

ここでは応急処置について詳細を書いていきます。レスキューについての基本的な部分はこちらに書いてあるのでここから見てください。

→ セルフレスキューの方法

セルフレスキューにおける応急処置は、自力下山や自力搬送をするための処置や、消防レスキューなどを呼んだ上で少しでも救命率を上げたり予後がよくなるような処置になります。

広告

最低限のファーストエイドセットが必要

ここで書くような応急処置は最低限のファーストエイドキットを持っていることが前提になります。可能ならば個人装備で、最低でもパーティーに一つはファーストエイドセットを持ちましょう。

車においていく人もいるようですが、ファーストエイドキットは岩場に持っていかなければ意味がありません。必ずザックのどこかに忍ばせておきましょう。

中身に関しては下のリンクに詳しく書いてあります。

→ クライミングで使用する救急セット

可能なら最初に写真撮影

応急手当をする前の傷の状況などの写真があるとレスキュー隊が到着したときに救助の参考情報として有効です。特に出血の場合、怪我をした部分の上を止血のために覆ってしまうことが多いので気にかけておきましょう。

余裕があれば撮影してから応急処置をしましょう。

傷口を洗浄する

出血がある怪我をした場合怖いのは感染症です、まず傷口を洗浄しましょう。

岩場では貴重な水ですが、ここは惜しまず傷口を洗い流します。ペットボトルや水筒に穴を開けてピュ~っと水を出して洗浄すると少量の水で効果的に洗うことができます。私は予め穴を開けたペットボトルの蓋を持ち歩いて、必要なときはペットボトルの蓋を付け替えて洗浄できるようにしています。ただ残念なことに(?)一回も使ったことはありません。

水がない場合はコーラでもなんでも良いので洗えるもので洗ったほうが良いようですが、緊急時のために淳数位な水を500ccくらいは持っていったほうが良いですよ〜

傷口が清潔になったら直接圧迫止血を行います(傷口を上から直接押さえる)

出血がある場合はまず止血

出血の程度にもよりますが、激しく出血している場合は上の洗浄を抜かして止血から入ることも多いです。血が流れている場合は異物を血が流してくれますからね。

多少痛くても出血を止めるのが先なのできっちりと押さえつけましょう。
圧迫止血は体重をかけるくらいの力が適正です。

ある程度出血が収まってきたらば、洗浄してワセリンなどを縫って上から密封しましょう。
出血がそれほど激しくない場合は直接洗浄〜ワセリン作戦でもOKです。

最後に包帯などで体の端から中心に向かってグルグル巻にします。

止血するときは要救助者の血に触れないようにする。

自覚のある無しに関わらず血液はどのような感染症があるかわかりません。要救助者のレスキューをするときは血液に直接触れないように注意します。

ゴム(ビニール)手袋、がない場合はビニール袋、ウィンドブレーカーなどあるものでなるべく遮蔽しましょう。持ち歩き用の救急セットにゴム(ビニール)手袋を入れて持ち歩くと理想的です。破れたときや複数名でレスキューを行う場合を考えて2〜3セット持っていくのをおすすめします。

捻挫や骨折がある場合(疑わしい場合は骨折として行動する)

捻挫や骨折などの症状ではRICEが基本になるのですが、正直なところ山の中でできることは限られます。とはいえ患部固定ならば持っている資材で比較的容易にできるのでここはきちっとしておきましょう。

関節以外の部分が痛む場合、痛む部分の前後の関節まで含めてまとめて固定&安静にします。関節が痛む場合は、その関節が動かないようにきっちりと固定します。

固定の方法は状況によりけりなのですが、クラッククライマーならテーピングを持っていることが多いと思うのでそれと副木でぐるぐる巻にするのが簡単で確実に固定できるのではないかと思います。

打撲の場合は圧迫すると痛みが軽減する場合が多いです。圧迫包帯などを持っていればそれを、なくても三角巾やテーピングテープなどで強めに巻いておくと、足を打撲しても歩く時に楽になったりするので試してみましょう。

可能であれば現場でアイシングですが、だめでも下山後速やかに冷やすと予後が良くなります。受傷から最低36時間は徹底的に冷やして、その後も腫れがあるようならば引くまで冷やし続けるのが正解です。

回復体位

レスキューをお願いするくらい大変な状況のときは、一通り応急処置を済ませて回復体位でレスキュー到着を待つのが基本です。ただし要救護者の意識がはっきりしていて、回復体位を取ると痛みが走るなどの場合は、コミュニケーションを取りながら楽な姿勢で待たせてあげましょう。

大きな怪我でショック症状を起こしたとき、一時的な体温低下が見られる場合があります。このような時は保温に務めるようにして、地面にはなにか敷いて体が冷えないようにしてあげると良いと思います。

→ 回復体位

悩んだら119番

応急処置などは定型的にできるものばかりではないので、悩んだらば119番に通報した時に状況説明をして判断や処置内容を仰ぐのも手です。

プロの判断力はすごいんですよ〜