グリグリの科学 リードビレイと繰り出し

グリグリシリーズの第二弾です。前回の記事でグリグリの安全な使い方は「いかに右手でロープをしっかりと確保するか」であることは理解してもらえたと思います。しかし実際にリードビレイをすると(特にクライマーが素早くロープを手繰ると)誤作動でグリグリがロックすることが頻繁にあります。

ここからは、繰り出しのロックを回避しつつ安全にビレイする私なりの方法を書いていきます。

ここに書いてあることはあくまでもironの考察なのでメーカーのように絶対的な正しさも担保されませんし、ここの情報を元に事故が起きたとしてもironは一切の責任は持ちません。引き続きオウンリスクでお願いしますよ〜

→ グリグリの科学 基本編

ホームポジション

みんさんはビレイをするときにどういう体制を取ってますか?

右手は何処にあって左手は何処にあって・・・通常状態の時にどういう体勢をとっているとビレイがスムーズに行えるかを考えてホームポジションを決めましょう。
私の場合は下記のとおりです。

まず右手ですが中指〜小指メインでロープを握りつつ人差し指はグリグリの出っ張りの下を支えます。

その状態で親指をカムの上に置いておく。これが私の右手のホームポジションです。PETZLの説明書に有る繰り出しの右手と同じですね。

このポジションで、ロープを繰り出すときには右手の親指でグリグリのカムを下に押し下げています。上でも書きましたが、グリグリはカムが跳ね上がらなければロックが効かないので、カムさえ抑えておけばスムーズにに繰り出しができます。この方法であれば、万が一クライマーがフォールしたとしても指の力が負けてカムが跳ね上がるので安全性は担保されています。

※グリグリ全体を包み込むように握ってしまうと手の力がカムが跳ね上がる力に勝ってロックが効かなくなることがあります。実際に事故も起きている事例なのでこのような握り方をしてはいけません。

体全体は写真のようなポジションを取っています。

左手は普通にクライマー側のロープを握って、両手共にビレイデバイスの近くに位置しています。ポイントはグリグリが下にぶら下がるような状態であるところです。

繰り出し

ホームポジションが決まっていれば、繰り出しは左手を伸ばすワンアクションだけです。

この繰り出しのときのコツは、上でも書いたように右手の親指でグリグリのカムを下に押し下げているところです。グリグリの繰り出しでロックさせないための条件は、ロープを繰り出している左手の引きの力よりもカムの頭を押さえる右手の力のほうが強いことになります。

繰り出しの時にロックしてしまって悩んでいる人は、上の写真のように右手の押し込みを強くしてみるか、左手の引きを緩めてあげると有効です。

手繰り上げ

ホームポジションから手繰り上げもワンアクションでこなせます。

クライマーがフォールした時は右手を握りこんで余裕があれば一手繰りしてあげると落下距離が短くすみますね♪

グリグリをぶら下げる意味

これもちゃんと意味があります。

グリグリが下の状態ではロープの出口は赤矢印になります。逆に上に来た時は黄色矢印です。この距離はハーネスやカラビナにも寄りますが15cmくらいでしょうか?

グリグリにかぎらずビレイにおける繰り出しは左手のスタート位置から伸ばしきるまでの長さが1ストロークになります。

なので左手のスタート位置は下にあったほうが一度のストロークが長くなり、繰り出しが素早くできることになります。

その時に右手はグリグリを押し下げているのですが、ストロークが足りなかった場合でも押し下げ分の15cmを引かれるに任せて繰り出すことが出来ます。

片手で15cm以上リーチ差がある人って少ないでしょ?
リーチが短くて繰り出しに苦労している人でもグリグリを使うと15cmくらいは差を埋めてくれるんです! あ〜素敵♪

ちなみに突然ロープをひかれた時・・・例えばロープが足とかに絡まないように捌こうとした時とか、そんなときにも15cmの余裕があれば対応がかなり楽になります。

これらの方法を採用するだけでグリグリのビレイが凄くやりやすくなるからオススメです♪

禁断の流し技

グリグリは流せないという噂が多いのですが 実際には左手のロープを強めに握ると流せます。左手でロープを握る行為は説明書に「ロックが効かなくなるのでNG」とあるのですが、流す=ロックさせないだからある意味正解なんですよね (笑) 

太いロープの時には特に有効で 「ガツン」と止まることが無くなって衝撃荷重が減ります。もちろん右手を放さないことが大前提で、状況にもよりますが50cm~1mくらい流れるようです(ironの主観です) 

当然ですがこの技術は手袋の使用を前提としています。 

この方法は書くかどうか悩んだんだけど 安全か危険かをそれぞれ読んだ人が判断して実際に行うか決めればよいかと思って書きました。 ビレイポイントに安全に動けるスペースがあるならば 体を浮かせたり移動してショックを吸収する方法も有効ですし、そのあたりの総合的な知識を持った上でこの方法が。 

これらの判断に不安がある人は使うべき技術ではありません。