ハンドジャムの科学

ここからはハンドジャムアドバンスとしてちょっと深く掘り下げて書いていきます。

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ハンドジャムに求められるもの

前ページで書いたようなハンドジャムを決めるだけならばそれほど苦労はないのですが、ハンドジャムの戦略的重要性を考えた場合にはちょっと話が変わってきます。それは難しめのルートになってくるとハンドサイズが出てきたらばレストやプロテクションセットなど登る以外のポイントも付随してくるからです。

力のコントロール

ハンドジャムは他のジャミングと比べて保持力がずば抜けて強く、手首から上が自由に動かせるのでムーブの自在に起こせるのが特徴です。

なので技術的にイマイチであっても多少の前傾壁までであれば力を込めればハンドジャムが効いてくれます。ただしそれは必要以上のリソースを注ぎ込んで登っている状態なのでクライミング戦略としては上手くありません。
それでは力を抜ければそれで良いのかというと、それだけでは足りません。プロテクションセットのときなどハンドジャムで絶対に落ちない状態を作る必要があるのです。なのでハンドジャムでは最小限の力で落ちずに登れる状態と安全マージンを足して絶対に落ちない状態を理解してそれぞれ必要なときに引き出せる状態を作る必要があるのです。

それらの技術を身につけるためには、簡単なルートを良い意味で力を抜きながら登る練習というのが有効な気がします。また力を抜いて登っているときに、岩からジャムが滑り出す感覚を掴んだり、滑り始めたときに素早くフォローアップするような練習も有効です。

難しルートになるとハンドジャム部分は殆どアプローチ感覚なのでノーダメージで登れないといけません。ルーフに近い傾斜になると話は変わってきますが、最終的にはルーフだろうがなんだろうがハンドじゃ落ちないことを目標に頑張りましょう♪