事故対応における緊急連絡

事故を起こしたいと思う人は一人もいないと思いますがそれでも事故は起きてしまいます。そんな万が一のときのためにここに書いた事故対応の方法を頭の片隅に入れておいてもらえればと思います。

ここでは緊急連絡について詳細を書いていきます。基本的な部分はこちらに書いてあるのでここから見てください。

→ セルフレスキューの方法

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緊急連絡をするの?

クライミングで事故を起こしてしまった場合には、要救助者の意識があるかないかで連絡するべき先が大きく変わってきます。事故が深刻で本人の意識がない場合は119番通報はもちろん、ご家族にも連絡を入れなければいけません。

逆に被害の程度が浅く、自力で病院まで行けることが可能な場合は、特に連絡などをせずに自宅近くの病院に行ったほうが通院や事後処理をが楽だったりもします。

このような判断は緊急事態が起きてから考えるとまともな答えが出ません。予め想定される内容を元にどこにどのように連絡をする(しない)かを考えておくことが重要になります。

緊急連絡するかの目安

意識がない場合 → 事故現場で119番 ご家族

意識があるけど重症の場合 → 事故現場で119番 家族連絡は本人に確認して

携帯電話がつながらない場合や山奥でビバークが予想されて自力下山してしまったほうが結果が良さそうな場合 → 自力下山 携帯が繋がる場所を見つけたらば、そこで119番通報して支持を仰ぐ

中症で緊急連絡するか悩む場合 → 容赦なく119番 
大体の場合正常性バイアスが働いて「自分たちは大丈夫」と楽観視してしまうことが多いです。容態を見て悩む場合は緊急連絡しちゃいましょう。

軽症の怪我 → 目安として肩から先や膝から下の場合で自力下山できそうなら救急車が来れる場所まで下山してから119番
この場合は殆どの場合自分の車で病院に行ったほうが早いのでその旨説明して病院だけ紹介してもらうのが良いです。

緊急連絡の基本は119番(消防)から

事態が深刻な場合は119番に一刻も早く連絡しましょう。(応急処置とは平行して行うと望ましい)
携帯電話がつながるエリアであればその場で連絡で良いのですが、つながらない場合は電波が繋がる場所を探すことになります。

119番でどうするか指示を仰ぎましょう。悩ましい場合はプロの判断に任せる方が救命率が上る可能性が高いです。

119番には連絡の電話番号を2~3個伝えておきましょう(連絡先が1つだと必要な連絡が取れない場合があります)

レスキューが必要ない程度であっても、119番で事故の状況を伝えて治療を受け付けてもらえる病院を紹介してもらうことが可能になります。119番にかけたからと言って必ずしもレスキューが出動するわけではありませんので、悩んだらばまず連絡をしてプロの判断を仰ぐのも必要なことです。

119番通報で伝えたい情報

・要救助者の、氏名、年齢、血液型、住所
・要救助者の状況 呼吸は? 意識は? 出血は? 骨折は? 
・歩行は困難?可能? 体力は衰弱?平常? 
・その他気がついたことがあれば

・事故発生場所
・事故発生時間
・現在地
・事故時の状況(グランドフォールなどの場合「高エネルギー外傷」もしくは「高いところから落下」と必ず伝えましょう、搬送する病院が変わります)

・パーティー構成 リーダー 人数 
・ヘリ対応の場合で必要な場合民間ヘリを使用する?(費用負担する?)

スマホで緯度経度情報を取得する

緊急連絡で現在地の伝え方の一つに緯度経度を伝える方法もあります。
iPhoneだとコンパスの中に入っているので予め確認しておくと万が一のときのために有効です。

家族への連絡

事故に遭ってしまった方の家族への連絡も並行して行うのが望ましいです。

病院で手術など大きな治療をする場合は、本人の意識がない場合は基本的に家族の了承が必要になります。
レスキューで病院にたどり着いても治療が進まないのは困っちゃいますよね?

このような事態にならないことが望ましいのですが、万が一の事を考えてクライミングに行くときはパートナーの緊急時連絡先を必ず確認しておきましょう!

家族への連絡は早い方が望ましいのですが、事故現場で人手が足りない場合は手が回らないことも多いです。また、救助隊との連絡でスマホの電池が消耗すると救助が難航する場合もあります。余裕がないときは、レスキュー隊が到着してからでも良いかもしれません。

電波がなければダッシュ!

ここまで携帯電波が届くことを前提に書いていましたが、クライミングで山の奥に入った場合などは電波が届かないことも多々あります。このようなときは連絡要員が電波が届くところまで下山するしかありません。アプローチ中にどこなら電波が届きやすいのかなどチェックしておくと良いと思います。