クラック用クライミングシューズのリソールを考える

シューズに魂を売ったと言われ始めてはや??年。旧iron日記で出していた細切れのリソール情報をここで一気にまとめてみました。

買い替えとリソールどっちがいいの?

まず最初に検討するべき部分はこれです。ソールが減ってきて寿命を迎えつつある自分のシューズ、これをリソールするのと買い換えるのだと何が違うのでしょうか?買い替えとリソール、それぞれのメリットを上げて比較してみます。

買い替えのメリット

・安定した品質が保証されている
これは新品だから当たり前ですね、今あるシューズの新品時点での性能が完全に復活します。

・手持ちのシューズが2足に増える
これは地味にありがたい部分で、予備のシューズがない状態だと雨に濡れたときやジム専用に下ろすなど古くてもなんとか使える予備シューズとして活用できたりします。

・違うシューズを購入できる
当たり前の話ですが新規購入では違うシューズを試すチャンスでもあります。

リソールのメリット

・足に馴染んだシューズの形をそのまま踏襲できる
多かれ少なかれシューズと足の形は違うので、長く履くと自分の足の形に馴染んできます。新品のシューズだと馴染むまでは慣らし履きが必要になりますが、リソールだとほとんど必要ありません。

・ソールを選べる
シューズを何足も履きつぶすくらい使っているとソールの違いもこだわりが出てくると思います。「このシューズにこのソールが付いていたらな〜」なんて夢物語がリソールだと現実になっちゃうのです。
私の場合はシューズはカタキ(カタナ)+C4ソールが多いのですがこの組み合わせはリソールでしか手に入れることはできません。
また下の剛性の部分とも少しかぶるのですが、硬さの違うソールを選ぶことでシューズ全体の剛性を変化させることが可能です。

・剛性が落ちて靭やかになる
これはもとのシューズをどう感じているかでメリット・デメリットどちらにも感じるのですが、私の場合はメリットに感じている部分です。
私がカタナレースでクラックを登る場合、あと少し柔らかいほうが登りやすいと感じることが多いのですが、リソールをすることで少し靭やかになり非常に登りやすく感じます。カタキでは新品状態でもそれほど不満はないのですがリソールで柔らかくなったことでフィンガーにも強くなった気がします。
ただし繊維質(樹脂タイプ含む)のシャンクをソールのすぐ上に貼っているタイプのミウラーやモカシムなどのシューズではソールを剥がすときに一部のシャンクが剥がれて大きく剛性が落ちてしまうのでヘナヘナになる可能性もあります。
このあたりは自分のシューズがどのようなタイプなのかをよく研究してリソールに出すか決めるのが有効です。

リソールから返却されたラバーたち、シャンクが張り付いているものときれいなものがあります


・シューズの厚みが減る
これは私の足が幅広のせいもあると思うのですが、リソールするときに大体の場合もとのソールよりも幅広のソールが貼られて帰ってきます。シューズ本体の足囲は変わらないので当然シューズは薄ペッたくなるわけです。
クラック用シューズは大きめを買うことが多いのでシューズの厚みが減るのは非常にありがたいのです。
※理由はこちらの記事を参照してください 

左 リソール後 右 新品


・安い!
例えば私の本気クラックシューズは現在カタキorカタナレースですが、これらのシューズは新品だと2万円を軽く超える金額です。これがリソールだと半額〜1/3程度で収まります。お安いほうが嬉しいのは間違いないですよね!

どういうところでリソールするの?

ここまで検討してリソールしてみたいなと思ったらば実際に行動してみましょう。私が今までに試したリソールはバーチリソールと凛靴リソールの2店です。その他に秀岳荘やイボルブリソールなどがある程度評価が固まっているところでしょうか。ググったら出てきた新しいお店もたくさんありましたがそのあたりに関しては全くわからないのでノーコメントです。

バーチリソールの特徴

リソールの老舗で私は15年くらい前からお願いをしていました。
ヒールの改造からベルクロ改造までリソールに限らずかなり広範囲の改造相談も受けてくれます。
またクライマーがリソールしてるのでクライミングに適した形状にシューズを持っていってくれるのも良いところかもしれません。
最近は混んでいて納期が長いのと品質にむらが出てきた部分もあります。

バーチリソール

凛靴リソールの特徴

リソールは昔からバーチ一択でお願いしてたのですが、最近は凛靴リソールがおすすめと友人情報をもらったので試してみました。お試ししたシューズはカタナレースとカタキレースで、合計3即お願いしてみたのですが非常に丁寧な仕上がりでした。
仕上がりの均質さは小規模なお店だからなせる技なのでしょうか?

凛靴リソール

比較

一番最後にリソールした凜花リソールを中心に比較検討してみましょう。
まずは仕上がったシューズをためしばきして感じるのが「つま先が楽〜♪」

つま先形状

そうなんです今回出したシューズに関してはバーチリソールよりもかなりつま先が丸く仕上がってきています。私のような丸っこい足の人にはそれが楽に感じるんでしょう。逆にシュッと細身な足型の人には合わない可能性大です。

左 凛靴リソール 右 バーチリソール

また横から見たつま先形状も凛靴リソールとバーチリソールではだいぶ違います。

上2足がバーチリソール、下2足が凛靴リソール

一般的論ですが細いクラックはもちろんフェイスでもポケットをスタンスにするときなど、つま先のシャープな方が有利なことが多いです。良し悪しではなくバーチリソールよりも凛靴リソールの方が快適方面に振った形状を理想としていると思われます。
ちなみに先日蜘蛛糸を登ってみた感じでは大きな問題は感じませんでした。ただし小さなポケットのようなクラックにフットジャムをねじ込むにはちょっと不安が残る形状なのは確かです。。。

ダウントゥ具合

ダウントゥ、自分でリソールするとうまく行かない部分です。こういう3次元にラバーを貼る技術はすごいな〜と思うのですが、凛靴リソールは安定、バーチリソールは少しムラがあります。バーチリソールではストレートトゥからダウントゥまでいろいろな形で仕上がってきます。

バーチリソールで同時に出したシューズのダウントゥ具合

おそらくたくさんの職人さんを抱えているから均質な仕上がりを維持するのが難しいのでしょう。色んな種類のシューズが楽しめて良いといえばその通りなのかもしれませんがこちらで選べたらなお良しですよね。

職人さんごとに仕上げたつま先の代表的写真を公開して、有料で良いからご指名できたらいいのにな〜なんて考えてしまうのは私だけでしょうか?

つま先修理

今回はつま先の修理も同時にお願いしました。
本当はお願いする予定なかったのですが「必要」と電話連絡いただいたのでお願いしました。バーチリソールだったらこのくらいまではそのままリソールしてくれそうな感じだったから想定外でした。

そのつま先修理部分ですがちょっとゴムの厚みがぽってりした感じがします。左足だけつま先修理をしたからそう感じるのかもしれませんがバーチリソールと比べてもランド厚めに残してるのでしょうか???

このあたりはフットジャムしない人なら耐久性がまして良い(の?)かもしれませんが、ジャムするとなると感覚が鈍くなりそうだからどうなんでしょう???

実際に登ってみた感じではランドラバーの感覚で大きな差を感じることはできませんでした。ただし、フィンガーサイズのフットジャムを決めながら蜘蛛糸を登ったらば一発で新たに貼ったランドの端が剥がれてきてしまいました。ほんのちょっとだし、奥までは剥がれていなそうなのですが、バーチリソールでは起きたことがなかったのでその部分に関しては残念でした。

剥がれ始めたつま先修理部分

気になるお値段比較

基本的な料金は表のとおりなのですが色々と細かい部分で違うので注意が必要です。まずバーチリソールの宅配金額は返却料金を含んでいます。また、宅配の2足目以降は500円引きになります。それに対して凛靴リソールは送料往復とも別料金です。

今回凛靴リソールでカタキをリソールしたのですが、標準料金だとソールをカットして前部分だけをリソールする形になります。セパレートタイプのソールすべてをリソールして貰う場合は上乗せ料金を支払う必要がありました。
バーチリソールの場合(テスタロッサでは)セパレートタイプのソールすべてを標準料金でリソールしてくれたのでセパレートタイプのクライミングシューズを同じようにリソールしたい場合はちょっと値段が変わってくるので注意が必要です。

緑 通常のリソール範囲 赤 今回凛靴リソールでお願いしたリソール範囲

細かく書いたけど結局いくら掛かるの? 標準料金で計算してみました、、、
東京発、つま先両足とも修理だと
バーチリソール 9840円  ※内訳 6700円+1400円+10%(税)+930円(クロネコヤマト通常料金)
凜靴リソール 10330円 ※内訳 5500円+2000円+10%(税)+2080円(クロネコヤマト往復)

つま先修理なしだと
バーチリソール 8300円  凛靴リソール 8130円

東京からの送料も含めた料金ですが本州大都市圏に住んでいる場合は誤差は数百円程度なので費用でどちらにするか検討するよりも内容で比較したほうが有意義だと思います。

シューズの寿命

実はシューズの寿命は種類によってかなり違うのですが私が使ってきたシューズに関してざっくり書いてしまいます。

私が使っているカタナレースの場合は、一度シューズを買ったらば2〜3回リソールします。カタナレースの場合4回リソールしたら最後の方はヨレヨレでクラック用のシューズとしては使い物になりませんでした。

新しく本気靴にしたカタキの場合は剛性が低めのシューズなのでもしかしたらばリソール可能回数が少なくなるかもしれません。現在2足購入していて、一足を1回リソールしています。

過去に履いていたバラクーダに関しては1回リソールしただけで寿命を迎えてしまいました。このあたりは同じメーカーでもリソール耐性はかなり違うようです。

寿命の目安

クライミングシューズは足を入れた状態でもソールがコーンケーブ状の凹みを持っていることが寿命の目安になります。シューズの寿命が来ると段々と凹みがなくなって最後はトドのように締まりのない形になってしまいます。このような形になってしまったらばもう寿命と諦めて新しい靴を買うのが正解です。

逆に言えばそこまではリソールをしながら大事に使ってあげるのが一番コスパの高いクライミングシューズの使い方になるのではないでしょうか。