03 フィストジャムの科学

フィストはクラックに拳を入れて握り込むだけの単純明快なジャムです。

直感的で誰でも簡単に使えるのですが、対応幅は狭く筋力もそれなりに使うので極め続けるのはしんどいジャムです。

私はフィストジャムに関してはボトミング系2つと握り込みによるジャムの合計3つの方法に分けて考えています。

今回はこれを一つづつ説明していきましょう。

握りこみによるジャム

一番オーソドックスなフィストジャムです。ゲンコツを握りこむと多少幅が広がるのですがその広がる力でジャミングを決めます。

理屈は簡単、でもやり続けるのはなかなかの力が必要です。
岩の凸凹を見つけて人差し指の第三関節部分をうまく凸凹に引っ掛けたり逆に小指球筋を凹みにハメたりと工夫しながら登ると力をセーブしやすいです。

c0173794_17355751.jpg

人差し指の第三関節から手首にかけての部分(青の点線)を岩に押し付けられると摩擦が増えて楽になるのですが、このあたりは岩の形状と手のサイズに依存するから必ずは難しい部分です。

あとクラックの奥行きがある場合は前腕の筋肉までクラックに入れて一緒にジャムをすると楽になる場合が多いです。体の動きは限定されてしまいますがレストなどには有効な技術です。

ボトミング 手首付近のジャム

これは簡単で手首から指先方向に広がっている部分(赤)を岩のスロット状の部分に引っ掛けてあげるジャムです。まさに上の写真みたいな感じ! 決まれば殆ど力いらずです。

c0173794_17234944.jpg

これをフィストに入れていいのか疑問なのですが、手の形は握りこんでるからフィストでいいでしょうw

大体の場合親指側は骨が小指側は小指球筋が岩に当たります。硬くて痛みの出やすい親指側が上手くフィットする場所を探すのがポイントです。小指側は筋肉の膨らみがあるので多少の融通がききます。

ボトミング 指の第三関節のジャム

痛いのきました~! の関節ジャム。フィストだとちょっと狭い時に有効ではありますが・・・

c0173794_17444397.jpg

人間の拳で一番広い場所は親指付近なのですが、一番幅を狭くできない場所は実は指の第三関節あたりなんです。

具体的には自分の手を見てもらいたいのですが、緑以外の部分は幅を狭めようと力を加えるとかんたんに狭まりますが緑の部分は凹みません。

だから幅の狭いフィストジャムは第三関節さえ入ってしまえばあとは手を押し込んでフィストをきめることができます。

c0173794_18495377.jpg

第三関節を入れるときはこんな感じで親指と小指をくっつけてなるべく幅を狭めてクラックに突っ込みます。クラックの一番広がった部分に緑部分が収まるように入れれば自然に手がスタックしてジャムが効き始めます。

でもその状態から拳を握りこむのが痛いです、え~痛いです。でも母なるクラックが自分を支えてくれる愛だと思って耐えましょう。

で親指を脇に添えるパターン

オフフィストの場合にやることがありますが私の場合は殆ど前腕ジャムでのサポート程度での使用が多いです。

c0173794_19005747.jpg

ただしクラックの奥行きがない場合は致し方なく使うこともあります。

きまりが悪いし痛いし・・・できれば使いたくありませんが、この辺のサイズまではフットジャムがよく決まるのでそれのサポートという意識で使うことが多いです。

ポンピング

ここまでは手先のジャミングばかりを書いてきましたが、フィストジャムは体全体のムーブも非常に重要になってきます。

フィストジャムをきめる場合、手首がクラックの中に入っているか外に出ているかでムーブが大幅に変わってきます。
手首がクラックの外側に出て自由に動く場合はムーブへの制限はないのですが、手首がクラックの中に入る場合手首の左右方向の動きが制限されます。必然的に肘がクラックの真正面来るようになるのですが人間には肩幅があるので両手ともまっすぐに拳を伸ばすと人間の柔軟性を超えた動きを要求されてムーブをこなすことができません。

なのでフィストジャムでは上の手が順手で下の手が逆手と言う形でポンプアップするように徐々にずらして行く登り方が殆どです。
具体的には「上の手を上げる→下の手を上げる→両手で体を引きつける→足を上げる」
こんな尺取虫のような動きで登っていきます。

逆に手首がクラックの外に出る状況ならハンドジャムで登るように順手を交互に出して大きなムーブで登ることが出来ます。
逆にハンドでも手首がクラックの中に入って肘の位置が固定される場合フィストと同じように(ハンドの場合は上の手が逆手、下の手が順手)ポンピングで登ることが多くなります。

にゃん手

これは特に指の第三関節をきめるフィストの場合に有効なのですが、手首を予め曲げていたほうが狭い部分にも入りやすいのでジャムを決めやすい場合が多いです。

このような形でジャムを決めるメリットとして、予め手首を曲げた状態でジャムを決めると次の一手を遠くまで伸ばすことが出来ます。これはハンドジャムの内転でも話をしましたが、人間の手首は真っ直ぐを中心に前後90°づつくらいしか動きません。下から真っ直ぐフィストジャムを決めると体を上げたときに肘が手首の高さくらいで固定されてしまいそれ以上上がれなくなってしまうのですが予め手首を曲げておくとかなりの改善が見られます。

また手首がクラックの外に出やすいのでこれはフィストジャムの順手で交互に手を出す場合に有効です。

ただし1手あたりの筋力消耗は高いから素早く抜けられるメリットと消耗のデメリットで天秤にかける必要があります。

メリットばかりの技術ではありませんが引き出しとして持っておくと有効ですね♪

何だかんだでフィストサイズまではフットジャムがよく決まるから
いかに足で登るかが一番重要な気がします。

ジャミングの科学の最新記事8件