00 ジャミングの科学-まえがき

iron日記で人気だったジャミングの科学をこちらのコーナーでまとめました。2010年に書き始めてから10年の歳月が経ち、その間に私自身の技術もアップデートされているので増強修正してまとめてあります。
まえがきでは個々の細かい技術ではなくジャミング全体に関する基本的な考え方などを書いていきます。

ジャミングには形状で決めるボトミングタイプと筋力で決めるタイプがある

外岩でクラックを観察するときれいな割れ目が空に向かって伸びているものからジグザクなものまでいろいろな形状があります。また真っ直ぐに見えたクラックでも実際に登ると微妙な蛇行やクラック内の凸凹による幅の違いなど様々な表情を見せてくれます。それらの表情に手足の形状を添わせてナッツのように引っ掛けるジャミングをここでは形状で決めるジャミングとします。

これに対し自らの筋力を使ってクラックを押し広げることで保持力を発揮するタイプのジャミングもあります。ここではこれを筋力で決めるタイプのジャミングと定義します。

形状で決めた場合は最初に極めた方向にしか効きませんがその場にいる限りは楽ができます。ジャムにぶら下がることができればレストやプロテクションセットで使うには非常に有利なジャミングになります。

逆に筋力でジャミングを極めた場合は、力を消耗しますが多方向に引っ張っても保持力が極端に落ちることはありません。そのためムーブを起こすときの足使いに自由度が生まれ、ジャムした手は疲れますが他の力をセーブできる場合が多いです。
また完全にパラレルな部分であっても効かせることができるのでこのジャムでしか突破できない部分も出てくるでしょう。

技術にはそれぞれのメリットデメリットがあるので、いろいろな技術を習得して引き出しを増やしていくことが登る能力を高める事に繋がります。

基本的なジャムの決め方

ワイド以外のクラックではジャムを決めるときは脱力した状態でクラック内に手を差し込みます。そこで少しでも手(指)が引っかかるところを探して、そこから初めて力を入れて保持をします。ジャミングが決まったらばその手にぶら下がるような状態を作りましょう。
これがクラッククライミングでのホームボジションになります。

これは殆どの場合でジャミングを決めた手を真下に引いている状態が一番安定していて脱力できるからです。

クラックではプロテクションを取る体制を作るのが非常に重要なのですが、ホームボジションでの体制がレストになり、そのままプロテクションを取る体制にもなります。

ただこの体制にはデメリットもあり、手にかなりの力が加わるのではじめのうちはジャムは外れなくても指(手)皮(特に甲側)が耐えられなくなったりします。このデメリットはフィンガージャムで顕著です。

また腕を伸ばしきった状態だと安定するのですが、体を上げていくときまりが悪くなってくるのでそれに対応した動き(俗に言うクラッカーっぽい動き)が有効になってきます。それには上腕二頭筋をメインに使う動きが必要になるのですが筋力が不足していると上手にこなすことができません。

crackclimbing.netでは色々と技術的なことをメインに書いていきますがそれには長所と短所があり、登るために選んだ技術に対応した筋力が必要になってきます。

登りたいルートを攻略したいときに技術が足りていないのか筋力が足りていないのかちゃんと理解をしてそれを補うことで登れるようになるのが一番の近道になります。

ジャミングの科学の最新記事8件