クラック用テーピングの巻き方

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クラックといえば素手で登る人もいればテーピングテープを巻く人からジャミンググローブを使う人まで色々といますが、私は本気トライのときはテーピングを巻いて登ることが殆どです。
ここではテーピングテープを使う理由から実際の貼り方まで書いていきます。

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なぜテーピングテープなのか

クラックやってて「痛くないんですか?」とよく訊かれるけど「ジャムがズレなければ痛くないんですよ~」って答えてます。でもそれはテーピングしてる時限定です、岩質にもよりますが素手だとけっこう痛いですw

素手は手のひらの厚みを一番抑えることができてシンハンドなど少しでも奥にジャムを決めたいところで有利になるはずなのですが、実際に痛みが走るとジャミングに力を込めるのが困難になるので私は素手では登っていません。

逆にジャミンググローブは厚みがあるために細めのシンハンドサイズに手が入らずオフフィンガーになってしまいます。
シンハンドも悪いサイズですがオフフィンガーは極悪サイズなので少しでもオフフィンガーをへらすために本気トライでは厚みがあるジャミンググローブは使いません。

テーピングテープは素手よりは手の厚みが増しますがテープ数枚分の厚み(0.25mm/枚×3〜4枚程度)です。皮膚のダメージを守るメリットと厚みが増すデメリットを勘案すると現在はテーピングテープがクラックを登るときの最適解と考えています。

またテーピングテープの厚みは痛みと手のひらの厚み(登りやすさ)と相関関係があります。薄く巻けばシンハンドが登りやすく厚く巻けば痛みに強くなります。このような柔軟な運用もテーピングのメリットかも知れません。

どのように巻いているか

前置きが長くなってしまいましたがiron流テーピングの巻き方です
私の場合はなるべく薄く、擦過傷から皮膚を守るためだけに巻いています。

まずは横方向に2枚張ります。

下で書きますが横方向に貼るテーピングテープは季節などによって2種類使い分けています。

ここからちょっと特殊ですが長めにテープを切って縦に裂きます。

裂き方は写真くらいです。

そのテープを小指から縦方向に貼って裂いた部分を指に巻き付けます。

エッジをカバーするように外側の方を後に巻くこと良いです。

次は人差し指から斜めに貼ります。

最初に貼った横テープ(緑の点線)の手首側カドの上を通過するように貼ります。これで順手でジャムするときに剥がれやすい部分がカバーされます。

最後に親指から斜めにテープを貼ります。

ここでは親指の第二関節と横テープ(緑の点線)のカドをカバーするように貼ります。このテープでフィストジャムで使う部分と逆手のときに剥がれやすい部分をカバーします。

あとはに手首にアンカーを巻いて終了です。

ポイントは手を「グー」にしたり「パー」にしたりしてテープを巻く部分の皮が一番伸びる状態にして貼るところです。

この巻き方のメリット

・テープを比較的薄く巻けるので細いクラックに入れやすい
・指の周りも比較的スッキリするのでホールドをつかむ時とかに指が不自然に開かない。
・同じ理由でスローパーでもゴワゴワしない
・構造的に手の甲などにシワが入りにくいので密着性が上がる
・テープの端をすべて抑えているから剥がれにくい

どんなテープを使っているか

現在はリンドバーグのリンドブラストPROをメインにエコノミーホワイトを部分的に使ったりと2種類を使い分けています。リンドブラストPROは粘着が高くシッカリとした生地のテーピングテープで、エコノミーホワイトは粘着が弱めで生地も靭やかです。

基本的にはリンドブラストPROを使用しているのですが、冬場など乾燥してテープを剥がしにくい時期は皮膚のダメージを抑えるために一番最初に貼る横方向のテープをエコノミーホワイトにしています。

テーピングテープの剥がし方

私の場合基本的にはそのまま剥がしてしまうことが多いのですが、乾燥した時期など粘着が強くなる時期はちょっとした工夫をして皮膚のダメージを抑えています。連日登るときにも有効なのでちょっと覚えておくといいかも?

・手にほんのりと汗をかくくらいアプローチを早めに歩くとあっさりと剥がれてくれます。
・それでも難しい場合はオフロに入ったときに剥がすとあっさりです。
・毛の流れに沿って手首から指先方向に剥がしましょう。

せっかくカバーした皮膚をテープで剥いてしまうと意味がないのでテープ剥がすのがしんどいなと思ったら無理にはがさずゆっくり余裕をもって剥がしましょう。